• /
• あんみつ村 /
• 訪問記 /
• 夢見レポート: あんみつ村訪問記　４ｐ

あんみつ村 x 夢見レポート
あんみつ村訪問記　４ｐ

作者 みずわり ほろよい村

作成 2013/04/08 18:33

家を出るとまた家の持ち主に出くわしたのだが、今度も変わらず「ianeihso utimihonnninnnas」と不気味な挨拶をされ、私の正気ががりがりと音を立て削られていく。この村の住民は総じて気が狂っている！当たり前だ、好んでこのような村に住んでいるのだから。

しかし私はふと気づいた。この一連の挨拶は、意味のない文字の羅列にしては規則的すぎるのだ。
試しに文字を返して読んでみると…「sannninnnohimitu oshienai」「さんにんのひみつ　おしえない」と読めた。
慌てて一人目の挨拶を返してみると「みていただけなのに……」と読め、二人目の挨拶も「かねをもらっただけだ」と読めることが分かり、成程家の持ち主達は加害者の心境を話していたのだな、と腑に落ちる。
人が恐怖を感じるのは、その事象を理解出来ず防衛本能が働くからだという。わずかでもそれに対する理解が進めば、恐怖は薄れるというもの。心にやや考えるゆとりのできた私は、少しこの村の謎に頭を回してみる……今まで訪ねてきた家は、虐めを行っていた人間達の家だったのだろうか？
奥の葬儀部屋は、被害者でも祭っていたのだろうか……そして加害者達の懺悔のような言葉……ここで私は一つ、嫌な想像をしてしまったのだが、不安を増長させるだけなので即座にその考えを振り払い歩き出した。
私に推理や謎解きは向いていないようだ。



今更ながら、気味の悪い村だ。しかしこれを探索して回ると息巻いていたのは他ならぬ私自身なのだから、今更引き返せばあまりにも恰好がつかない。
まだ最後の家が残っている。こうなれば早めに切り上げて憂さ晴らしにカフェにでも寄りたい。我ながらよくもこんな悍ましい村を探索する気になったものだ。その勇気は立派だと思うが、どうやらそれに伴った精神の図太さを、私は持っていなかったようだな。

最後の家の前に咲いているスズランが、その身に水分を滴らせ、こちらを手招いている……。
私は意を決し、この不吉な屋敷へと足を踏み入れた。

続き
http://yumemori.com/2285/topic/538

ログインすると、書き込みできます。ログイン

とびだせ どうぶつの森 あんみつ村 訪問記 あんみつ村訪問記　４ｐ

http://yumemori.com/2387/report/537

投稿数：0

最後に管理した日時：2013/04/08 18:50

閲覧専用サイトでは編集できません。通常サイトで編集してください。