作者 みずわり ほろよい村
作成 2013/04/08 18:39
虐げられ、鬱屈した一生を過ごした少年の選択は、あまりにも悲しいものだった。
人間の心というものは、どんな傷を受けても時間をかけて塞がっていく筈であるのに、この少年はそれこそ独り立ちをする歳になっても、つけられた創傷に囚われていたのだろう。それは癒えるどころか、時間を経て増していき……結果としてこの悲劇を引き起こした。
何か他の道はなかったのだろうか。愛せる女性や、打ち込める趣味、やり甲斐のある仕事……彼はそういったものに逃げるべきだったのだ。――このような道を選ぶよりは。
この夢に訪れた当初は、とにかく恐怖を感じるのみであった。しかし最後の家の内装を見た私は今、恐怖とは異なった、酷く悲しく何より悔しいという奇妙な心持をしているのだ。
暖かく花咲き乱れた平和の園……そういった夢ばかりを好んでいた私には、この「あんみつ村」の世界はいささか厳しいものだったのだが、
しかしながら恐怖に慄き恐る恐る草木をかき分けては踏み出す一歩一歩というものは、確かに新鮮で魅力的だということが分かり、私はまた新たな夢を見る気になった。それももっとおどろおどろしく、口にするのも憚れるような極上の悪夢を……。
さて、この手記を書くのに灯台下で長居をしすぎた。そろそろ目を覚まして船に揺られなくてはならない。
身を裂かれるような悲劇を目にしたとしても、これはあくまで夢なのだ。起き上がった先の現実には、我が村で愛しい動物達が日常を謳歌している。
勿論私もその中の一人なのだから…欠けることなどあってはならないのだ。
私はあの鳥居と神社の絵を踏みしめ、広場のベッドに横たわると、静かに目を瞑る。
頭の中で、被害者と思しき少年の発した言葉が、ぐるぐると、いつまでも廻っていた。
「ぜったいにゆるさない」
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2013/04/09(火) 21:32 ものすごく丁寧で興味をそそる訪問記ありがとうございます! |
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2013/04/08(月) 18:47 *お詫び |
とびだせ どうぶつの森 あんみつ村 訪問記 あんみつ村訪問記 5p ファイナル
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最後に管理した日時:2013/04/08 18:39
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