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あんみつ村 x 夢見レポート
あんみつ村訪問記　３ｐ

作者 みずわり ほろよい村

作成 2013/04/08 18:23

次に見えた家も、これまた嫌しげな雰囲気だ。和風な中央の部屋には日本人形が円状に――まるで何かの儀式のように――置かれ、姿の見えない水飲み鳥の軋む音が響いている。

西の部屋に入り込むと、壁に血涙を流す男の顔がひしめいており、突然やってきた直接的な画に情けなく押し殺した声が出た。
地下に降りると今度は真っ赤な壁と床が私を圧倒する。壁の所々には式神のデザインが貼られ、日本人形とレトロなカメラを囲っているが、やはり何かの儀式でもしているのだろうか。カメラは目の前の日本人形を撮影しているように見える……撮れた写真に忌まわしい物が写らなければいいが。

一階奥の部屋は、家の様式に合わせ少し雰囲気が異なるものの、同じように葬儀風の部屋だった。豪華な額縁には何も描かれておらず、吸い込まれそうな黒が塗られているだけだ。


そして二階は最初に訪れた家と変わらず教室風の部屋で、何やら部屋の奥のヤンチャな学生風のマネキンが二体、青い面のマネキンを囲っている。
足元にはベルの袋が転がっているが……これはきっとカツアゲという物だろう。青いマネキンはいずれも虐められている少年を模しているに違いない。
先ほど訪れた家の二階と合わせて見ると、この村の大きな家の二階が表わしているものは、陰惨な虐めの光景なのだろう。
被害者の被っている青い鬼のお面が、酷く悲しげな表情に見える。


二階から降りると家の持ち主が「adekadattaromowenak」とまた訳のわからない挨拶をしてきたので、私はあまり目を合わせずにその場を後にした。

三つ目の家だ…今度はなにやら案山子が円形に並べられ、中央のズボンを囲っていた。私はこのズボンを見て、また小さな悲鳴を上げてしまう。読者らにはただの衣服に思えるだろうが……その理由は、すぐ傍に捨て置かれた斧を見て、案山子共に胴体を横に真っ二つにされた人間を情けなくも連想してしまったからだ。
言ってしまえばこれらはただの家具でしかない。しかしそれらが豊かな想像を呼び起こさせ、恐怖を煽ってくるような雰囲気が、この村にはあるのだ。


追って西の部屋は妙に散らかった子供部屋、地下室は雲の上に浮かぶ丸い月が、奥はやはり今までの家と同じく葬儀部屋だった。


続き
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最後に管理した日時：2013/04/08 18:37

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